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●スポーツ科学から東洋医学の道へ●
私は中学・高校の6年間を野球部に所属していたのですが、選手として様々なトレーニング法を自分自身で模索していくうちに、当時スポーツ科学が少しずつ注目され出したことも重なり、中学校2年生頃から「スポーツトレーナー」という職業に憧れを抱くようになりました。そして、その夢を叶えるため、私はスポーツ科学を専攻できる大学へ進学しました。大学では最新鋭の科学的トレーニング法を学ぶ一方、準硬式野球部に所属し、選手兼トレーナーとして活動していました。 しかし、4年の就職活動時期に、トレーナー活動できる環境を求め、アメリカの NATA(National Athletic Trainers' Association, Inc.)というトレーナー資格を取得なさった中村千秋先生に相談したところ、「日本ではトレーナー資格が整備されていないから、 体育系の大学を卒業しただけでトレーナー活動していくのは難しいね。 何か医療資格を取った方がトレーナーになる可能性が広がるよ。」とアドバイスされました。 何のために大学に入学したのか一時は落ち込みましたが、大学卒業後は医療資格を取得する事に気持ちを切り替えました。 トレーナーになる為の医療資格として、現在日本では、鍼灸マッサージ師、柔道整復師、理学療法士などが挙げられます。 その中で、中村先生は「鍼灸の世界は面白いかもしれないぞ、 あの業界には名人と呼ばれる人がいて、名人は色々な病気を治すみたいだよ。」と鍼灸を勧めてくれました。 この時は、ただトレーナになるための手段として考えていたので、鍼灸で病気を治すということは二の次でした。マッサージの資格も取得でき、一番面白そうかなという理由で鍼灸マッサージ学校への進学を選択したのでしたが、先ほどの中村先生の言葉は後々の私の人生を大きく左右するのでした。
●鍼灸学校への入学●
大学卒業後は神奈川県小田原市にある鍼灸マッサージの専門学校に進学することになりました。同級生には、高卒者は少なく、私の様なトレーナー志望の大卒者以外にも、 自動車教習所の元教官、 薬剤師、 小学校の校長、 海外勤務の銀行マン、喫茶店のマスター、などなど多種多様の経歴の方々がいて、 年齢層も18歳から60歳代と幅広く、 様々な考え方に触れられ、非常に楽しくお付き合いさせてもらいました。そして専門学校の3年間の生活を通じて、当初トレーナーを目指していた私の考え方や、進む方向性が変化していきました。 まず専門学校の授業で東洋医学と西洋医学のそれぞれの基礎医学を通じて、人体の仕組みを学び「人は何故病気になるのだろう」という事に徐々に関心を持ち始めました。また社会も少子高齢社会になった関係もあり、スポーツ選手を対象にするだけでなく、「広く一般の方のケアができる治療家になろう」、という考え方に変化していきました。それからはトレーナーの勉強よりも、鍼灸マッサージ師の資格で出来る治療法を調べるようになりました。
按摩、マッサージ、指圧、アロママッサージ、リンパドレナージュ、操体法、AKA、構造医学、カイロプラティック、整体、アップライドキネシオロジー、頭蓋仙骨療法、ロルフィング、など 鍼灸マッサージ師の資格を取得するだけで、こんなにもたくさんの治療法が選択肢としてあります。 みなさんが肩凝りでお困りの時、治療院によって色々な治療法があって、どれが一番いいのか迷うのは無理もありません。 えっ!?この中に鍼灸が入っていない?そうです、学生時代の卒業近くまで、鍼灸を治療法として考慮に入れていませんでした。というのも専門学校の授業だけでは、東洋医学を魅力的に感じられなかったからです。東洋医学でいう“気”、“陰陽”という形として表すことが難しい世界観を、「どうせ机上の理論で実際には存在しないし、効く訳ないだろ~」ぐらいにしか考えておらず、その治療効果も疑問視していたのでした。
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